Hanson House

ここはニューヨーク郊外の閑静な住宅街に2011年にオープンした重度身体障害者のグループホームである。まず驚いたのは高級住宅街になんともみごとにブレンドしていることだった。外から見ただけでは身体障害者のグループホームにはまったく見えない。普通の家である。そこに贅沢なことにたったの4人の障害者が暮らしている。

間取り
当然、車椅子が入れるようにramp がついている。いや、ほとんど道から家の入り口まで平らである。ドアをあけるとすぐ右手にリビングルーム。その奥に一部屋。ここは Dennis の部屋で個室である。彼のベッドは床づれ防止の特別な空気によるマットレスの圧力が調整できるものがしかれていた。次に入り口を入って左手がシャワー室と洗面所。右に二人部屋があって、左には個室。そこには Mark の部屋。彼は普段は車椅子だが、家では床を這って自由に回る。そのためベッドもふとんのように床に面している。彼がくつろぐソファーはbean bag である。リビングの裏には左手にラウンジ、真ん中に窓の付いたオフィス、そして右がキッチンである。その奥には洗濯機と乾燥機の大きいのがあった。さらに右に行くとGarage に通じるドアがある。壁もモダンな色が選ばれていて、とてもきれいだった。緑の壁の部屋にはそれにマッチした緑のベッドカバーがほどこされていた。決して大きな家ではないが、4人が住むには十分なほどだ。決して施設といった病院くさいにおいはまったくなく、普通の家と同じ印象を受ける。いや、それが当然なのだ。

住居者
4人とも車椅子である。Derek と Anthony はまだ見るからにして若い。Derek の部屋の壁には車椅子バスケットボールの選手として活躍している彼の姿が写真に飾ってあった。Anthony はさかんに日本語を学びたい様子で、How do you say hello? とか聞いていた。住み心地は?と聞いたら、スタッフはみんなよくしてくれると喜んでいた。そしてMatthew は頭に設置された棒でタイプしながら、自分の伝えたいことをdevice に打っていた。彼は Matthew で26歳だと書いてくれた。Mark はなかなかのキャラクターで、髪の毛ぼさぼさ、ひげもぼうぼう、さらにそこによだれがびったりだが、彼の目標はルワンダのために資金集めをすることだと将来の希望を語ってくれた。

大勢のスタッフ
彼らの生活をみるのはスタッフ。直接介護にあたる人、residence manager, nurse, behavioral specialist とチームが組まれているが、常時必ず2人はいるとのこと。しかも24時間体制である。シフト制になっており、シフトの変わり目はだいたい4時ごろだ。私が訪問したときも介護人2人、ナース、behavioral specialist, resident manager, director, と6人もいた。居住者よりスタッフのほうが多かった。

設備
彼らは日中は仕事をしたり、活動をしているが、帰ってきてからもその延長としてさらに外出する。しかも4人に対して2台のvan があるのだから幸せである。本当に彼らは恵まれている。住民からパーキングの件でいろいろと文句がでたようだが、最初は住民からの苦情は普通であろう。

運営資金
彼らはほとんど生活においては支払いはない。むしろ国から毎月$150のおこづかいが与えられるくらいである。それでちょっとした自分の身の回りのものを買ったり、映画を見るのに使ってもかまわない。障害者年金もあり、Medicaid という国から支給されるお金でホームでの生活は生涯保障される。日本では多くのグループホームで食費は自費のようだが、食費もMedicaid から出され、さらに Food Stamp と呼ばれるお金が出るので、それによっても食費はまかなわれる。実際とてもよいものを食べている。お金を管理しているのはresident manager で、1セントと狂いなく、レシートを集め、いつ政府機関の審査が入っても落ち度がないように勤めているという。